MECT2025完全ガイド!国内最大級の工作機械見本市の魅力を徹底解説

2025年10月、ものづくりに携わる多くの皆さんが期待を寄せる「メカトロテックジャパン2025(MECT2025)」が開催されます。国内最大級の工作機械見本市として知られるMECTは、業界の最新技術と製品が一堂に会する貴重な機会です。

本記事では、MECT2025の基本情報や出展企業の特徴などについて、初めて参加する方にもわかりやすく解説していきます。

もくじ

  1. MECT2025とは?基本情報と開催概要
  2. MECT2025の展示分野と出展製品
  3. 特殊切削工具業界から見たMECT2025の魅力
  4. MECT2025の注目ポイント
  5. MECT2025に参加するメリット
  6. MECT2025に参加する際の準備
  7. MECTについてのよくある質問
  8. MECT2025でビジネスチャンスを発掘しよう

MECT2025とは?基本情報と開催概要

引用元:https://mect-japan.com/2025/

MECT(メカトロテックジャパン)は、1987年にスタートした歴史ある工作機械見本市です。西暦奇数年の秋に開催され、国内では東京で開催されるJIMTOFに並ぶ規模を誇る、製造業界において最も重要なイベントの1つとして位置づけられています

開催概要

MECT2025の開催概要は以下の通りです。

正式名称 メカトロテックジャパン2025(MECHATRONICS TECHNOLOGY JAPAN 2025)
期間 2025年10月22日(水)~10月25日(土)
開催時間 10:00~17:00(最終日は16:00まで)
会場 ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)第1展示館・第2展示館・第3展示館
主催 株式会社ニュースダイジェスト社
予想来場者数 約70,000人(前回は約77,000人)

名古屋開催の意義

MECTが名古屋で開催される意義は非常に大きいものがあります。中部地方は、トヨタ自動車、ホンダ、スズキ、三菱自動車などの自動車メーカーが集積する「ものづくりの聖地」です。さらに、デンソーやアイシンといった大手自動車部品メーカーも多数存在します。

出展企業にとって、MECTは日本の製造業の中核を担う地域で直接技術をアピールできる絶好の機会となっています。

MECT2025の展示分野と出展製品

MECTでは、工作機械を中心として製造業に関わる幅広い製品・技術が展示されます。前回のMECT2023のデータによると、展示分野の構成は以下のようになっています。

展示分野 割合
切削工具・切削砥石・作業工具など 15.9%
工作機械 14.5%
工作機器 14.1%
測定機器・品質管理 12.7%
ロボット・自動化提案 11.9%
制御装置・ソフトウェア関連製品 9.0%
その他工作機械に関する機器・資材・製品・技術 7.2%
加工技術・加工提案 6.6%
プレス・板金加工機・3Dプリンター・その他加工機 2.7%
油圧・空圧・水圧機器 2.1%
歯車・歯車装置 0.6%
研究機関・出版物 0.1%
その他 2.6%

※参考:MECT2023 結果報告書

切削工具関連の出展が全体の約16%を占めており、特殊切削工具メーカーにとっても非常に重要な展示会だと言えます。MECT2025でも、切削工具を始めとした以下のような様々な製品カテゴリーが出展予定です。

  • 工作機械
  • 切削工具
  • 工作機器
  • 測定機器
  • 油圧・空圧・水圧機器
  • 環境・安全対応機器装置
  • CAD/CAM/CAE
  • 制御装置・関連ソフトウェア
  • 洗浄機械装置

特殊切削工具業界から見たMECT2025の魅力

ここまでMECTの概要や開催意義について紹介してきましたが、特殊切削工具に携わる方にとっても、MECT2025は見逃せない展示会です。業界関係者の視点から、その魅力や注目すべきポイントを解説していきます。

高い技術レベル・明確な目的意識を持つ来場者が集まる

MECT2023の来場者データを分析すると、MECTの特徴が明確に見えてきます。

引用元:https://mect-japan.com/2023/about/2023results.html

来場者の職種構成では、技術系(製造・設計・生産技術・研究開発・品質管理)が62.5%を占め、営業・販売が20.3%と続きます。つまり、MECTは単なる商談の場にとどまらず、実務に直結する課題や最新技術について深く議論できる、専門性の高い展示会なのです。

来場目的に関するデータも注目に値します。

引用元:https://mect-japan.com/2023/about/2023results.html

最も多いのは「新製品情報・資料の収集」(40.8%)、次いで「最新技術の動向調査」(27.0%)となっており、多くの方が具体的な情報収集を明確な目的として来場しています。

真剣に新技術や製品を求める顧客と出会える可能性が高く、新たなビジネスチャンスを生み出すうえで非常に有利な環境といえるでしょう。

製造業従事者の参加率が高い

引用元:https://mect-japan.com/2023/about/2023results.html

業種別の内訳を見ると、製造業従事者が75.9%、商社・代理店が12.1%を占めています。製造業関係者が圧倒的多数を占めており、直接的なビジネスチャンスが生まれやすい土壌が整っているのも、MECTの大きな魅力です。

MECT2025の注目ポイント

引用元:https://mect-japan.com/2025/

ここからは、開催が迫るMECT2025で特に注目すべきポイントを厳選してご紹介します。

新設される中小・スタートアップゾーン

MECT2025では新たな試みとして「中小・スタートアップゾーン」が設けられます。従業員数50人以下、または設立から10年以内の企業を出展対象としたこのゾーンは、革新的な技術を持つ新興メーカーとの出会いの場として注目されています。

大手メーカーでは対応が難しい特殊なニーズに応える技術を持つ企業が多数出展することが予想され、加工現場の課題解決につながる新たな発見があるかもしれません。

コンセプトゾーンでの実演展示

MECTの大きな特徴の1つが、毎回注目を集めるコンセプトゾーンでの加工実演です。主催者であるニュースダイジェスト社が、最先端技術をテーマに実演展示を行います

今回のテーマは「医療を支える加工術 ―異業種に学ぶ成功のヒント―」。普段はなかなか公開されることのない、医療機器向けの加工を間近で見ることができる貴重な機会となるでしょう。

充実したセミナープログラム

著名人や技術者による質の高いセミナーも、MECTの魅力だと言えます。自動車産業、航空・宇宙産業を中心に業界のキーパーソンによって行われる講演は、業界動向を把握し、今後の技術開発の方向性を理解する上で非常に有益です

MECT2025に参加するメリット

ものづくりに携わる方にとって、MECTへの参加には以下のようなメリットがあります。

効率的に情報を収集できる

MECT2025には過去最多となる524社・団体が出展予定で、その展示を4日間で見学することができます。短期間で競合他社の新製品情報や技術動向を収集し、業界全体のトレンドを把握できる効率性の高さが大きな魅力です。

直接的な技術交流を図れる

展示ブースでは技術者同士が直接対話でき、カタログや営業資料だけでは得られない深い技術情報に触れることが可能です。実際の加工条件や抱えている課題について具体的に相談できるのは、展示会ならではの大きなメリットといえるでしょう。

新たなビジネスチャンスとして活用できる

MECTには全国から業界関係者が集まるため、新たなビジネスパートナーや協力企業との出会いの場としても活用できます。特に地方の中小企業にとっては、普段なかなか接点を持てない大手企業の技術者と知り合える貴重な機会にもなります

MECT2025に参加する際の準備

引用元:https://mect-japan.com/2025/

MECT2025への参加を検討している方は、より価値ある体験にするために、以下のような準備を事前に済ませておくことをおすすめします。

訪問したいブースの目星をつける

会場が広大なため、闇雲に回っていては時間が足りません。出展企業リストを確認し、訪問したいブースの優先順位を決めておきましょう。展示分野ごとにエリアが分かれているため、目的に応じたルートを事前に計画することをおすすめします。

質問したいことをまとめる

各ブースでの滞在時間に明確な制限はありませんが、人気のブースでは担当者と話せる時間が限られる可能性もあります。そのため、聞きたい内容をあらかじめ整理しておくことが大切です。

  • 技術・製品仕様:性能、精度、対応可能な加工内容、特殊な機能など
  • 価格・コスト:導入費用、ランニングコスト、保守費用など
  • 納期:製品の納品にかかる期間、設置・導入までのスケジュール
  • サポート体制:導入後のサポート内容、メンテナンス、技術的な問い合わせ先など

上記のような内容を中心に、具体的な質問リストを事前に用意しておきましょう。

MECTについてのよくある質問

本章では、MECTに関してよくある質問をまとめています。

Q:MECTとJIMTOFの違いは何ですか?

MECTは奇数年に名古屋で、JIMTOFは偶数年に東京で開催されます。MECTは自動車産業が集積する中部地方で開催され、より実務的で現場に近い展示会という特徴があります。一方、JIMTOFは国際的な規模が大きく、海外企業の出展が多いのが特徴です。

Q:入場料はかかりますか?

当日入場の場合は1人1,000円(10人以上の団体は1人500円)の入場料が必要ですが、公式サイトから事前登録をすれば無料で入場できます。さらに、海外からの来場者や学生は入場料が無料となっています。

Q:会場へのアクセス方法は?

ポートメッセなごやへは、あおなみ線「金城ふ頭駅」から徒歩2~5分でアクセスできます。車でお越しの方は、金城ふ頭駐車場を利用することが可能です。

※参考:会場・アクセス|国内最大級の設備機械・技術の専門展 メカトロテックジャパン2025

MECT2025でビジネスチャンスを発掘しよう

MECT2025は、製造業界にとって2年に一度の重要なイベントです。最新技術の動向把握、新製品の発見、技術者同士の交流など、多くのメリットを提供してくれる貴重な機会といえます。

MECTで得られる情報と人脈は、今後のビジネス展開において重要な資産となるでしょう。MECT2025への参加を通じて業界の最前線に触れ、技術力向上や競争力強化につなげてみてください。

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この記事の執筆者

特殊切削工具メーカー比較サイト編集部

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